Nature ハイライト
神経科学:視覚を通じて脳地図を更新する仕組み
Nature 576, 7785
空間ナビゲーションは、空間の脳内表現と感覚入力の両方に依存しているが、専用のニューロン回路においてこの2つが可塑性のある地図としてコヒーレントに統合される仕組みはいかなる動物種でも明らかにされていない。今回、R WilsonとV Jayaramanの2つのグループがそれぞれ独立に、ショウジョウバエ(Drosophila)で多様なニューロン記録技術を用い、ハエが新たな視光景を経験する時に、視覚的に反応する「リング」ニューロンから「頭方向」ニューロン、つまり脳の中心複合体にある「コンパス」ニューロンへの抑制性入力が、どのように精緻化されるのかを報告している。これは、ハエ脳のシナプス可塑性がキノコ体以外で報告された最初の例であり、動物が新たな環境で自身の方向を取得し直す仕組みを説明する最初の実験的機構である。
2019年12月5日号の Nature ハイライト
光物理学:例外点での非常に優れたセンシング
物性物理学:グラフェンにおけるハチミツ状の電子流の画像化
エネルギー科学:薄膜熱電体
冶金学:3D印刷のための新しいチタン合金
進化学:中耳進化の異なる道筋
神経科学:視覚を通じて脳地図を更新する仕組み
免疫学:T細胞分化における二次胆汁酸の役割
遺伝子工学:切断を必要としないゲノム編集法の拡張
構造生物学:ATP放出チャネル