Nature ハイライト
免疫学:実質腫瘍に対する免疫応答における髄膜リンパ管の役割
Nature 577, 7792
中枢神経系(CNS)内の組織移植片に対しては免疫応答が起こらないため、脳は免疫特権を持っているのではないかと考えられている。この免疫特権によって、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)などの原発性脳腫瘍が、CNS内で制限なく増殖できるのかもしれない。岩崎明子(エール大学医学系大学院ほか)たちは今回、CNSのリンパ管系が脳腫瘍抗原に対する適応免疫応答の開始を制限する役割を担っていることを明らかにし、グリオブラストーマのマウスモデルでリンパ管ドレナージを増やすとグリオブラストーマに対する免疫無視を克服できることを実証している。この研究は、リンパ管を調節して免疫特権部位の腫瘍に対するチェックポイント阻害療法の効果を高める新しい戦略の基礎になる可能性がある。
2020年1月30日号の Nature ハイライト
物性物理学:水素の金属化
物性物理学:双対性の力学的メタマテリアルの設計
工学:ナノスケールデバイス
化学:配向基を用いないC–H官能基化
進化学:シュム・ラカ遺跡の古代ヒトゲノム
幹細胞:ストレスにより活性化された交感神経系が白毛化を促す
免疫学:実質腫瘍に対する免疫応答における髄膜リンパ管の役割
心血管生物学:闘争・逃走反応を解明する
計算生物学:タンパク質構造を予測するニューラルネットワークがさらに進歩
構造生物学:SAGA複合体の構造