Nature ハイライト
物性物理学:双対性の力学的メタマテリアルの設計
Nature 577, 7792
対称性と双対性は、物理学における重要な2つの概念である。対称性とその破れは物理学の法則を支えており、系の特性を支配することが多い。一方の双対性は、一見関係のない系の間の結び付きを明らかにする数学的写像である。特定の条件下では、双対性と対称性の間の区別が不鮮明になる自己双対系が生成されることがある。今回V Vitelliたちはこの自己双対性の概念を利用し、レゴブロックを用いて、標準的な対称性解析では予測されない創発特性を有するメタマテリアルを設計している。自己双対カゴメ構造を用いて、非可換な特異な特性を持つ非アーベル的な音波を保持し得ることが示された。今回の結果は、情報をエンコードし処理するための、従来型の固体デバイスを超える代替手法をもたらす可能性があり、フォトニック結晶や電気回路などの他の古典波動系にも応用できるはずである。
2020年1月30日号の Nature ハイライト
物性物理学:水素の金属化
物性物理学:双対性の力学的メタマテリアルの設計
工学:ナノスケールデバイス
化学:配向基を用いないC–H官能基化
進化学:シュム・ラカ遺跡の古代ヒトゲノム
幹細胞:ストレスにより活性化された交感神経系が白毛化を促す
免疫学:実質腫瘍に対する免疫応答における髄膜リンパ管の役割
心血管生物学:闘争・逃走反応を解明する
計算生物学:タンパク質構造を予測するニューラルネットワークがさらに進歩
構造生物学:SAGA複合体の構造