Nature ハイライト

構造生物学:SAGA複合体の構造

Nature 577, 7792

多数のサブユニットからなるSAGA複合体は、TATA結合タンパク質(TBP)をプロモーターDNA上に集めることにより遺伝子転写を促進する。SAGAはまた、2つのクロマチン修飾酵素モジュールを持っている。今回2つの研究グループが行ったクライオ電子顕微鏡研究により、酵母SAGAの構造と機能に関する知見がもたらされた。P SchultzとA Ben-Shemたちは、TBPに結合したSAGA複合体の構造を報告しており、この構造によって多様な機能ドメインを協調させる複雑な相互作用ネットワークが明らかになるとともに、TBPの送達と放出の機構が示された。P Cramerたちは、SAGA複合体単体の構造とヌクレオソームと結合した構造を報告しており、それらの構造からSAGA複合体とTFIIDの類似点と相違点に関する知見が得られた。また、ヌクレオソームとの結合により引き起こされるコンホメーション変化も観察されている。

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