Nature ハイライト
構造生物学:SAGA複合体の構造
Nature 577, 7792
多数のサブユニットからなるSAGA複合体は、TATA結合タンパク質(TBP)をプロモーターDNA上に集めることにより遺伝子転写を促進する。SAGAはまた、2つのクロマチン修飾酵素モジュールを持っている。今回2つの研究グループが行ったクライオ電子顕微鏡研究により、酵母SAGAの構造と機能に関する知見がもたらされた。P SchultzとA Ben-Shemたちは、TBPに結合したSAGA複合体の構造を報告しており、この構造によって多様な機能ドメインを協調させる複雑な相互作用ネットワークが明らかになるとともに、TBPの送達と放出の機構が示された。P Cramerたちは、SAGA複合体単体の構造とヌクレオソームと結合した構造を報告しており、それらの構造からSAGA複合体とTFIIDの類似点と相違点に関する知見が得られた。また、ヌクレオソームとの結合により引き起こされるコンホメーション変化も観察されている。
2020年1月30日号の Nature ハイライト
物性物理学:水素の金属化
物性物理学:双対性の力学的メタマテリアルの設計
工学:ナノスケールデバイス
化学:配向基を用いないC–H官能基化
進化学:シュム・ラカ遺跡の古代ヒトゲノム
幹細胞:ストレスにより活性化された交感神経系が白毛化を促す
免疫学:実質腫瘍に対する免疫応答における髄膜リンパ管の役割
心血管生物学:闘争・逃走反応を解明する
計算生物学:タンパク質構造を予測するニューラルネットワークがさらに進歩
構造生物学:SAGA複合体の構造