Nature ハイライト
計算生物学:タンパク質構造を予測するニューラルネットワークがさらに進歩
Nature 577, 7792
タンパク質の構造予測では、相同なアミノ酸配列の共変動を解析して、接触しているアミノ酸残基を推測することが大きな助けになってきた。しかし、正確に推測できるのは大規模なタンパク質ファミリーの場合に限られていた。今回A Seniorたちは、このような接触しているアミノ酸残基間の実際の距離を正確に予測し、平均力ポテンシャルを決められるニューラルネットワークのAlphaFoldを開発した。得られた平均力ポテンシャルを単純な最急降下アルゴリズムによって最適化すれば、複雑なサンプリング手順をとらずに構造を決定できる。AlphaFoldは、2018年12月に行われた最先端アルゴリズムを盲検評価する直近の予測技術コンテストCASP-13で、概念的には比較的単純であるにもかかわらず、競合する他のシステムよりもずっと良い成績を収めた。
2020年1月30日号の Nature ハイライト
物性物理学:水素の金属化
物性物理学:双対性の力学的メタマテリアルの設計
工学:ナノスケールデバイス
化学:配向基を用いないC–H官能基化
進化学:シュム・ラカ遺跡の古代ヒトゲノム
幹細胞:ストレスにより活性化された交感神経系が白毛化を促す
免疫学:実質腫瘍に対する免疫応答における髄膜リンパ管の役割
心血管生物学:闘争・逃走反応を解明する
計算生物学:タンパク質構造を予測するニューラルネットワークがさらに進歩
構造生物学:SAGA複合体の構造