Nature ハイライト

Cover Story:機能の回復:分化転換させたアストロサイトによるパーキンソン病で失われたニューロンの補充

Nature 582, 7813

パーキンソン病は、神経伝達物質であるドーパミンを産生するニューロンの脱落を特徴とする。この疾患の治療法はまだ見つかっておらず、現在の治療では症状の緩和に重点が置かれている。今回X Fuたちは、新たなニューロンを生み出して、この疾患で失われたニューロンを補充する方法を報告している。彼らは生きたマウスで、PTBと呼ばれるRNA結合タンパク質を枯渇させることによって、アストロサイトを機能性ニューロンへと効率よく変換できるワンステップの方法を立証した。パーキンソン病のマウスモデルでは、こうした新たなニューロンによってドーパミンが増加し、運動機能の一部が回復した。この手法は、in vitroでヒト細胞にも有効なので、パーキンソン病などの神経変性疾患の治療法が得られる可能性がある。

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