Nature ハイライト
がん:がん代謝物によるDNA修復の調節
Nature 582, 7813
腫瘍における細胞代謝の変化は、正常細胞では作られることのない「がん代謝物」の産生をしばしば引き起こす。がん代謝物の中には、クロマチンリモデリングに関わる酵素機能を調節することが知られているものもある。P Glazerたちは今回、がん代謝物の2-ヒドロキシグルタル酸が、ヒストンデメチラーゼKDM4Bを介してDNA修復を調節することを明らかにしている。KDM4Bを阻害すると、DNA切断部位の周囲でヒストン3の異常なメチル化が生じ、修復異常が引き起こされた。
2020年6月25日号の Nature ハイライト
天文学:前主系列星の残骸円盤内に見つかった惑星
量子物理学:安全な長距離量子鍵配送
化学:原子が動いて結合を形成する様子の観察
考古学:初期のマヤ人による大公共建造物
生態学:共生の秘密
健康科学:SARS-CoV-2の空気力学的性質
ウイルス学:SARS-CoV-2を迅速に再構築する逆遺伝学的手法
微生物学:胆汁酸が新たな微生物宿主を発見
遺伝学:全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群の性特異的な影響における補体C4の役割
がん:がん代謝物によるDNA修復の調節