Nature ハイライト
遺伝学:全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群の性特異的な影響における補体C4の役割
Nature 582, 7813
全身性エリテマトーデス(SLE)とシェーグレン症候群(SjS)は原因不明の消耗性自己免疫疾患である。両疾患のリスクに及ぼす、共通した最大の遺伝的影響は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)座位から生じる。S McCarrollたちは今回、この影響がこれまでに考えられていたHLAの抗原特異的変動から生じるのではなく、補体第4成分(C4)遺伝子のC4AおよびC4Bのコピー数によって、よりよく説明されることを見いだしている。この結果から、SLEとSjSのリスクが、損傷した細胞由来の残屑に含まれる多くの自己抗原候補と免疫系との慢性的で持続的な相互作用から生じることが示唆された。この研究ではまた、C4遺伝子の変動に対する強力な性特異的影響のパターンが特定され、SLEやSjSの他にも、統合失調症と関連することが知られている性差について有力な説明が示されている。
2020年6月25日号の Nature ハイライト
天文学:前主系列星の残骸円盤内に見つかった惑星
量子物理学:安全な長距離量子鍵配送
化学:原子が動いて結合を形成する様子の観察
考古学:初期のマヤ人による大公共建造物
生態学:共生の秘密
健康科学:SARS-CoV-2の空気力学的性質
ウイルス学:SARS-CoV-2を迅速に再構築する逆遺伝学的手法
微生物学:胆汁酸が新たな微生物宿主を発見
遺伝学:全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群の性特異的な影響における補体C4の役割
がん:がん代謝物によるDNA修復の調節