Nature ハイライト

Cover Story:小塊形成システム:細菌集団の代謝を駆動するマンガン酸化

Nature 583, 7816

必要なエネルギーをマンガンの酸化によって得ることのできる微生物が存在する可能性は、かねてから示唆されてきた。今回H YuとJ Leadbetterは、マンガンの酸化から得られる自由エネルギーを用いて増殖とバイオマスへの無機炭素の固定を駆動する2種の細菌の共培養について報告している。これらの細菌はこうした酸化を介して、ばらばらの巨視的なマンガン酸化物の小塊を作る(表紙)。著者たちが「Candidatus Manganitrophus noduliformans」とRamlibacter lithotrophicusと名付けたこの2種の細菌は、マンガン独立栄養生物として共に増殖する。前者は後者からまだ単離されておらず、後者は、単離された状態ではマンガンを酸化しない。この発見は、生命を支える既知の無機代謝の数を増やすとともに、深海底におけるマンガン団塊の形成の解明に影響してくる。

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