Nature ハイライト
触媒:Ni担持触媒上における窒素空孔を用いる高効率のアンモニア合成
Nature 583, 7816
アンモニアは肥料工業でよく用いられる化学品であるが、その製造は要求が厳しい。細野秀雄(東京工業大学)たちは今回、Niを担持したLaNが、アンモニア合成触媒使用時に直面することの多い制約を回避できるデュアルサイト機構を通して、温和な条件下でアンモニアを効率よく生成できることを報告している。LaN表面で容易に生成される窒素空孔は、N2を活性化しやすくするのに不可欠である。この活性化されたN2が次いで、Ni金属上で生成した水素原子と反応して、アンモニアを生成する。今回の知見は、反応サイクルに空孔を組み込めることを示す良い例であり、高価な希少元素ではなく自然界に豊富に存在する元素を用いてアンモニア合成触媒を開発できる新たな設計コンセプトを提示している。
2020年7月16日号の Nature ハイライト
物性物理学:相関グラフェンにおける相の競合
物性物理学:金属性グラフェンの超伝導
触媒:Ni担持触媒上における窒素空孔を用いる高効率のアンモニア合成
超分子化学:分子集合体の鎖をつなぐ
古生物学:恐竜の卵は最初は軟らかかった
古生物学:南極で見つかった白亜紀の巨大な卵
神経科学:脳に侵入するタンパク質を可視化する
コロナウイルス:COVID-19の重症度に影響を及ぼす宿主とウイルスのパターン
微生物学:腸における微生物相を介した交感神経系の調節
免疫学:自己免疫のリスク座位はTreg細胞特異的なエンハンサー機能と関連する