Nature ハイライト
感染症:COVID-19に対する社会政策の影響を定量化する
Nature 584, 7820
世界の国々の政府は、COVID-19のパンデミックの拡大を抑制するために、学校閉鎖や屋内退避命令などの政策をすで実施しているか、実施を検討している。そうした政策の効果は、発生しなかった感染という形であるため、直接観察できず、一般にシミュレーションで推定される。S Hsiangたちは今回、経済成長に対する政策の効果を測定するために従来用いられてきた方法を利用して、中国、韓国、イラン、イタリア、フランス、米国における感染増加率に対する1700件の感染防止政策の効果を実験的に評価している。その結果、執筆時点で、その6か国では政治的介入によってすでに約6100万件の感染が予防または先延ばしされたと推定された。こうした知見は、実行中の政策の解除や強化の是非あるいは時期に関して有用な情報になると考えられ、他の国々の意思決定を支援することができる。
2020年8月13日号の Nature ハイライト
物性物理学:菱面体晶グラファイトにおける強い電子相関
ナノスケール材料:バックリング構造を持つグラフェンの強い電子相関
生態学:小さな生息地断片では個体群動態の変化が生物多様性を低下させる
エピゲノミクス:ヒトのDNアーゼI高感受性部位の指標付け
神経科学:ASDマウスモデルの社会的行動の薬理学的な回復
公衆衛生:ヨーロッパにおけるCOVID-19に対する非医薬品介入の効果を推定するためのモデル化手法
感染症:COVID-19に対する社会政策の影響を定量化する
メカノバイオロジー:皮膚の伸張が皮膚の伸展につながる仕組み
化学生物学:標的タンパク質の分解を誘導するキメラ