Nature ハイライト
ナノスケール材料:バックリング構造を持つグラフェンの強い電子相関
Nature 584, 7820
ねじれ2層グラフェンに形成されたモアレ格子で最近実証されたように、炭素材料の相関電子相には超伝導が含まれる。しかし、デバイスの作製が困難で、ねじれ角の正確な制御が難しいため、炭素材料での相関物理の研究には限界がある。今回E Andreiたちは、原子レベルで平坦な基板上に堆積させた単層グラフェンに、熱的にバックリング(座屈)転移を誘起させることにより、代替プラットフォームを提示している。バックリングによって生成された周期的にひずんだ超格子から、周期的な擬似磁場が生じ、これによってグラフェンに相関フラット電子バンドが形成される。今回の知見は、周期的なバックリング構造を持つグラフェンを用いて、炭素系材料のフラットバンドや相関状態を制御できることを示している。
2020年8月13日号の Nature ハイライト
物性物理学:菱面体晶グラファイトにおける強い電子相関
ナノスケール材料:バックリング構造を持つグラフェンの強い電子相関
生態学:小さな生息地断片では個体群動態の変化が生物多様性を低下させる
エピゲノミクス:ヒトのDNアーゼI高感受性部位の指標付け
神経科学:ASDマウスモデルの社会的行動の薬理学的な回復
公衆衛生:ヨーロッパにおけるCOVID-19に対する非医薬品介入の効果を推定するためのモデル化手法
感染症:COVID-19に対する社会政策の影響を定量化する
メカノバイオロジー:皮膚の伸張が皮膚の伸展につながる仕組み
化学生物学:標的タンパク質の分解を誘導するキメラ