Nature ハイライト

物性物理学:菱面体晶グラファイトにおける強い電子相関

Nature 584, 7820

ねじれ2層グラフェンに形成されたモアレ格子で最近実証されたように、炭素材料の相関電子相には超伝導が含まれる。しかし、デバイスの作製が困難で、ねじれ角の正確な制御が難しいため、炭素材料での相関物理の研究には限界がある。今回A Mishchenkoたちは、高品質の菱面体晶グラファイト膜を作製してその特性を評価することにより、代替プラットフォームを提示している。彼らは、電子相分離の特徴を示す表面状態に、量子ホール効果とエネルギーギャップを観測した。今回の結果は、菱面体晶グラファイトが、通常は多元素材料に見られるような相関物理の研究を可能にするまた別の炭素系であることを示している。

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