Nature ハイライト
神経科学:ASDマウスモデルの社会的行動の薬理学的な回復
Nature 584, 7820
ニューロリギン3(Nlgn3)をコードする遺伝子の変異は自閉症の遺伝的リスク因子の1つで、これまでの研究により、Nlgn3変異マウスの社会的表現型がヒト自閉症スペクトラム障害(ASD)と関連することが確立されている。今回P Scheiffeleたちは、ASDのマウスモデルでは、ドーパミン作動性ニューロンのオキシトシン応答性が障害され、報酬処理に関連した脳領域でのmRNAの翻訳が変化していることを見いだしている。このマウスに、mRNA翻訳を調節するMAPキナーゼ相互作用キナーゼ(MNK)の阻害剤を投与したところ、これらの表現型が回復したことから、この共通機構が多様な表現型のある自閉症への治療戦略を示す可能性が示唆された。
2020年8月13日号の Nature ハイライト
物性物理学:菱面体晶グラファイトにおける強い電子相関
ナノスケール材料:バックリング構造を持つグラフェンの強い電子相関
生態学:小さな生息地断片では個体群動態の変化が生物多様性を低下させる
エピゲノミクス:ヒトのDNアーゼI高感受性部位の指標付け
神経科学:ASDマウスモデルの社会的行動の薬理学的な回復
公衆衛生:ヨーロッパにおけるCOVID-19に対する非医薬品介入の効果を推定するためのモデル化手法
感染症:COVID-19に対する社会政策の影響を定量化する
メカノバイオロジー:皮膚の伸張が皮膚の伸展につながる仕組み
化学生物学:標的タンパク質の分解を誘導するキメラ