Nature ハイライト
材料科学:連続波緑色ペロブスカイトレーザー
Nature 585, 7823
金属ハロゲン化物系ペロブスカイトは、太陽電池において優れた性能を発揮することから大きな関心を集めているが、安価で、色調整が可能であり、安定性に優れ、溶液プロセスに適合するため、レーザー発振用としても魅力的な材料である。実用技術には、連続波レーザー発振が大変望ましい。しかし、ハイブリッド有機–無機擬二次元ペロブスカイトが有望視されているものの、特に室温での連続波レーザー発振は実現が困難であることが分かっている。今回、安達千波矢(九州大学ほか)たちは、室温空気中において連続波光励起の下で安定な緑色擬二次元ペロブスカイトレーザーを実証している。今回の結果は、電流注入型ペロブスカイトレーザーの開発への重要な一歩となる可能性がある。
2020年9月3日号の Nature ハイライト
原子物理学:高精度測定によって原子質量の合計を修正する
流体力学:上下逆転した世界
材料科学:連続波緑色ペロブスカイトレーザー
エネルギー科学:高速充電電池のアノード
細胞生物学:機能的シンシチウムを形成する網膜周皮細胞
神経変性疾患:C9orf72の喪失は炎症の抑制を解く
微生物学:腸の微生物による脳炎惹起性T細胞の活性化
腫瘍生物学:保護的な代謝環境がリンパ節転移を助長する
生化学:膜を突き抜けるデザイナーチャネル