Nature ハイライト
生化学:膜を突き抜けるデザイナーチャネル
Nature 585, 7823
タンパク質ポアのde novo設計は、小型分子を透過させるのに十分なサイズのポアが開いたままとなるように安定性を保つ必要があるので、非常に難しい。今回D Bakerたちは、同心円状の2つのαヘリックス環からなる安定なポアを設計したことについて報告している。ポアの1つは12本のヘリックスからなり直径は4 Å、もう1つは16本のヘリックスからなり直径は10 Åである。小さい方のポアを、昆虫細胞で膜に埋め込まれた状態で発現させたところ、イオンが膜を通過して運ばれ、高い選択性を示すことが実証された。一方、大きい方の膜貫通ポアをリポソームに取り込ませると、色素分子が膜を透過できるようになった。
2020年9月3日号の Nature ハイライト
原子物理学:高精度測定によって原子質量の合計を修正する
流体力学:上下逆転した世界
材料科学:連続波緑色ペロブスカイトレーザー
エネルギー科学:高速充電電池のアノード
細胞生物学:機能的シンシチウムを形成する網膜周皮細胞
神経変性疾患:C9orf72の喪失は炎症の抑制を解く
微生物学:腸の微生物による脳炎惹起性T細胞の活性化
腫瘍生物学:保護的な代謝環境がリンパ節転移を助長する
生化学:膜を突き抜けるデザイナーチャネル