Nature ハイライト

エネルギー科学:高速充電電池のアノード

Nature 585, 7823

リチウムイオン電池に最も広く用いられているアノードはグラファイトである。しかし、高速充電電池の需要が増す中、グラファイトの使用によって、好ましくないリチウム析出やそれに伴う安全性といった問題が生じる可能性が高い。そのため、インターカレーション速度の速い低電位アノードの探索が進められている。今回P Liuたちは、これまでアノード材料ではなくカソード材料として広く研究されてきたバナジウム系リチウム過剰不規則岩塩型酸化物が、この要求にかなう可能性があることを示している。このアノードをニッケル過剰層状酸化物カソードと組み合わせたところ、高速で十分なサイクル寿命を示す3.25 Vのフルセルが実現された。今回の研究結果は、50年近くカソード材料として研究されてきた材料の新たな用途を提案するものである。

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