Nature ハイライト
腫瘍生物学:皮膚がん構造の機械的調節
Nature 585, 7825
E Fuchsたちは今回、一連の実験的および数学的手法を用いて、2種類の皮膚がんで機械的力が構造を形成する仕組みを明らかにし、これが腫瘍形成を助けていることを示している。基底細胞がん(BCC)は、表皮から周囲の間質へと内部へ向けて簇出(浸潤)し、侵襲的となることはまれだが、扁平上皮がん(SCC)は、間質の中に折りたたまれるように入り込んで侵襲する。著者たちは、腫瘍前駆細胞の上と下の両方から加えられる機械的力が、腫瘍の構造を決定することを明らかにした。基底膜の軟化はBCCの簇出を促進するが、基底膜は維持される。これとは対照的に、基底膜の剛性が高まるとSCCの折りたたみが促進され、がんがより拡散しやすくなる。
2020年9月17日号の Nature ハイライト
天文学:白色矮星をトランジットする巨大惑星
光物理学:世界最小の超音波検出器
ナノスケール材料:昆虫の眼から着想を得た機能性ナノ被覆層
発生生物学:胚発生過程での中間径フィラメントの新たな役割
ヘルスケア:中国のCOVID-19封じ込めのモデル化
代謝:OPN5を介したマウスの光応答性中枢神経軸
発生生物学:内皮細胞の可塑性を操作する
腫瘍生物学:皮膚がん構造の機械的調節
がん:がんにおけるゲノム不安定性の機構的脆弱性
構造生物学:αシヌクレインを間近に見る