Nature ハイライト
がん:がんにおけるゲノム不安定性の機構的脆弱性
Nature 585, 7825
今回、中心体を欠いたがん細胞でゲノム不安定性を駆動する機構について、2つの研究から同じ結論が導き出され、この機構を治療に利用できる可能性が開かれた。R ChapmanたちのグループとK Oegemaたちのグループはそれぞれ、中心体の調節因子であるTRIM37の増幅が、PLK4阻害による中心体喪失へのがん細胞の感受性を高めることを明らかにしている。TRIM37の増加は中心体分離の調節を失わせ、有糸分裂エラーを促進してゲノム不安定性を引き起こす可能性があるが、さらに、中心体欠損細胞での細胞分裂に必要とされる非中心体凝集体の形成も阻害する。これはPLK4の阻害によって標的とすることができ、分裂期崩壊が誘導される。
2020年9月17日号の Nature ハイライト
天文学:白色矮星をトランジットする巨大惑星
光物理学:世界最小の超音波検出器
ナノスケール材料:昆虫の眼から着想を得た機能性ナノ被覆層
発生生物学:胚発生過程での中間径フィラメントの新たな役割
ヘルスケア:中国のCOVID-19封じ込めのモデル化
代謝:OPN5を介したマウスの光応答性中枢神経軸
発生生物学:内皮細胞の可塑性を操作する
腫瘍生物学:皮膚がん構造の機械的調節
がん:がんにおけるゲノム不安定性の機構的脆弱性
構造生物学:αシヌクレインを間近に見る