Nature ハイライト
発生生物学:1つよりも2つ:発生を守る遺伝子のペアリング
Nature 589, 7842
胚発生期の体節形成は、分節時計と呼ばれる分子振動子の制御を受ける。分節時計遺伝子の適切な発現は正常な発生に必須である。今回E Özbudakたちは、染色体に沿って存在する2つの分節時計遺伝子のペアリングが、これらの遺伝子の発現のばらつきを低下させるように働き、その結果、発生において2つの分節時計遺伝子が確実に協調的かつパターン化された発現をするようになることを明らかにしている。この機構は、ゼブラフィッシュ胚の体軸発生に不可欠なことも分かった。以上よりこの研究は、遺伝子のペアリングが個体レベルで機能的役割を担うことを示した珍しい例と言える。
2021年1月21日号の Nature ハイライト
物性物理学:バルク欠陥におけるトポロジカル状態
材料科学:機械的特性のエネルギー効率の高い遠隔再プログラムを可能にするメタマテリアル設計
触媒:α-炭化モリブデン表面の密集白金による安定した低温水性ガスシフト触媒
グローバルヘルス:低・中所得国における麻疹ワクチン接種の進捗状況
神経科学:自己と他者の位置を知る
発生生物学:1つよりも2つ:発生を守る遺伝子のペアリング
健康科学:妊娠中の胎仔に対する母体免疫応答性の調節
免疫学:ウイルスによって誘導されるオートファジーに関する知見
生体材料:タンパク質で作られた二次元材料
創薬:幻覚薬の幻覚をなくす