Nature ハイライト

発生生物学:1つよりも2つ:発生を守る遺伝子のペアリング

Nature 589, 7842

胚発生期の体節形成は、分節時計と呼ばれる分子振動子の制御を受ける。分節時計遺伝子の適切な発現は正常な発生に必須である。今回E Özbudakたちは、染色体に沿って存在する2つの分節時計遺伝子のペアリングが、これらの遺伝子の発現のばらつきを低下させるように働き、その結果、発生において2つの分節時計遺伝子が確実に協調的かつパターン化された発現をするようになることを明らかにしている。この機構は、ゼブラフィッシュ胚の体軸発生に不可欠なことも分かった。以上よりこの研究は、遺伝子のペアリングが個体レベルで機能的役割を担うことを示した珍しい例と言える。

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