Nature ハイライト

健康科学:妊娠中の胎仔に対する母体免疫応答性の調節

Nature 589, 7842

M PaolinoとJ Penningerたちは今回マウスにおいて、妊娠ホルモンが、妊娠中の胎仔に対する母体免疫応答性の調整にどのような働きをするかを調べている。その結果、妊娠中のプロゲステロンによる胸腺上皮細胞の刺激によって、RANKシグナル伝達依存的に制御性T(Treg)細胞の発生が促進されることが実証された。妊娠中、胸腺Treg細胞は胎盤と末梢脂肪組織内に蓄積し、耐糖能を調節する。Treg細胞の数が減少すると、母体の耐糖能異常、胎児性巨大仔、さらには出生後の生存仔マウスで長期な耐糖能異常が引き起こされ、これらは妊娠糖尿病の重要な特徴である。

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