Nature ハイライト
分子生物学:酵母ゲノムのタンパク質構造
Nature 592, 7853
真核生物の染色体には多くのタンパク質が結合していて、これが染色体の完全性を保ち、遺伝子を調節しているが、これらの結合はごく一部しか解明されていない。今回F Pughたちは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)でChIP-exo/seq(chromatin immunoprecipitation, exonuclease digestion and DNA sequencing)法を用いて、転写、DNA複製、セントロメア、サブテロメア、トランスポゾンに関係する、約400種類のタンパク質からなるタンパク質集合体の結合部位を、ほぼ塩基対レベルの分解能で確定している。この研究によって、構成的な遺伝子と誘導可能な遺伝子では異なる集合体が形成されていることが示され、また転写因子の相互作用ネットワークが明らかになった。
2021年4月8日号の Nature ハイライト
量子情報:捕捉イオンでジャグリング
物性物理学:モアレグラフェンにおける加熱時のスピン凍結
材料科学:リチウムイオン輸送用微多孔質ポリマー
地球科学:地震の断層面解を用いたマグマの粘性の絞り込み
考古学:初期の人類の行動を示す内陸部の証拠
幹細胞:異種間キメラ形成の障壁を克服する
コロナウイルス:慢性COVID-19患者におけるSARS-CoV-2の進化
コロナウイルス:バイオンテック社/ファイザー社製ワクチン候補BNT162b1とBNT162b2の前臨床開発
分子生物学:酵母ゲノムのタンパク質構造