Nature ハイライト
コロナウイルス:バイオンテック社/ファイザー社製ワクチン候補BNT162b1とBNT162b2の前臨床開発
Nature 592, 7853
U Sahinたちは今回、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のワクチン候補BNT162b1の設計と非臨床開発に加えて、BNT162b2ワクチンの設計、前臨床開発、免疫原性、アカゲザルでの抗ウイルス作用について報告している。BNT162b2は、融合前のコンホメーションに固定したSARS-CoV-2スパイク糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾mRNAを含み、脂質ナノ粒子に製剤化されている。マウスにBNT162b2を単回接種した結果、投与量依存的にシュードウイルス中和力価が上昇した。また、アカゲザルにプライムブースト法でBNT162b2を接種した結果、SARS-CoV-2の回復期血清パネルに比べて、SARS-CoV-2の幾何平均中和力価が約10~18倍になった。BNT162b2は、マウスとアカゲザルに強力なCD4+ 1型ヘルパーT細胞応答とIFNγ+ CD8+ T細胞応答を引き起こし、BNT162b2を接種したアカゲザルの肺を感染性SARS-CoV-2のチャレンジから完全に保護した。
2021年4月8日号の Nature ハイライト
量子情報:捕捉イオンでジャグリング
物性物理学:モアレグラフェンにおける加熱時のスピン凍結
材料科学:リチウムイオン輸送用微多孔質ポリマー
地球科学:地震の断層面解を用いたマグマの粘性の絞り込み
考古学:初期の人類の行動を示す内陸部の証拠
幹細胞:異種間キメラ形成の障壁を克服する
コロナウイルス:慢性COVID-19患者におけるSARS-CoV-2の進化
コロナウイルス:バイオンテック社/ファイザー社製ワクチン候補BNT162b1とBNT162b2の前臨床開発
分子生物学:酵母ゲノムのタンパク質構造