Nature ハイライト
生態学:侵略的外来種のコストを算出する
Nature 592, 7855
生物の侵入は、生物多様性を大きく低下させるのみならず、社会に大きな経済的損失を与えるとともに、その管理への金銭的支出を発生させる。政策対応を動機付けて導くために、侵略的外来種の世界的影響を明らかにすることが必要とされている。今回C Diagneたちは、世界の大多数の分類群、活動部門、地域を網羅する、報告されたコストについてのデータベースを用いて、1970~2017年の侵略的外来種に関連する金銭的コストの変化を明らかにしている。侵略的外来種関連のコストの総額は、2017年には少なくとも1兆2880億ドルに達し、年平均コストは268億ドルと推定された。また、この期間に報告された年次コストは10年当たり3倍の増加を示すと推定された。コストの推定値には大きな不確実性があるが、今回の知見は、生物の侵入の管理と損失のコストが共に増加し続けていることを示唆している。
2021年4月22日号の Nature ハイライト
工学:膨張式の折り紙シェルター
ナノスケール材料:自己生分解性ポリエステル
気候科学:公平性を含めた場合のメタンの社会的コストの国家間の大きな相違
生態学:侵略的外来種のコストを算出する
古生物学:穴掘り動物を発掘する
微生物学:CRISPRを介した変異誘発
コロナウイルス:モデルナ社製とファイザー社製のSARS-CoV-2 mRNAワクチンによって誘導される抗体応答の解析
ワクチン:ナノ粒子インフルエンザワクチンに対する広範な交差反応性抗体応答の誘導
がん:AIを用いて臨床試験の適格性に取り組む
発生生物学:眼で起こる細胞小器官分解を見る