Nature ハイライト
画像化技術:ローカリゼーション原子間力顕微鏡法
Nature 594, 7863
構造変化のマッピングによって生体分子の作用機構が明らかになることが多いが、ダイナミクスをサブナノメートルスケールで、生理学的に適切な条件において捉えることができる手法は多くない。今回S Scheuringたちは、ローカリゼーションアルゴリズムを従来型原子間力顕微鏡法と高速原子間力顕微鏡法で得たデータセットに適用させることで、用いた探針の半径によって課される限界を超えて画像の分解能を向上できることを示している。この方法では、多分子の画像、あるいは時間をかけて取得した単一分子の多くの画像から、分解能の高いマップが計算される。これによって、自然条件や動的条件において、柔軟な非標識タンパク質表面の単一アミノ酸残基の解像が可能になり、単一分子構造解析への新たな道が開かれた。
2021年6月17日号の Nature ハイライト
天文学:塵のベールによるベテルギウスの「大減光」
ナノスケール材料:精密な多重らせん超構造
画像化技術:ローカリゼーション原子間力顕微鏡法
水文学:全球の河川では間欠的な流れが一般的である
神経科学:扁桃体の拮抗する細胞クラスターによる恐怖状態の切り替え
コロナウイルス:デジタル接触追跡の効果
植物科学:生体分子凝縮物と植物の免疫
腫瘍生物学:がん増殖のための競合
腫瘍生物学:がん遺伝子は腸幹細胞ニッチの変化を推進する
構造生物学:学習と記憶の分子部品