Nature ハイライト
ゲノミクス:体細胞変異を用いたヒトの初期発生の追跡
Nature 595, 7865
初期発生における細胞の系譜についての理解の多くは、個体発生の過程において細胞とその子孫細胞の追跡を可能にする、細胞系譜レポーターを発現するように改変されたマウスでの研究に基づいている。しかし、こうした研究はヒトでは不可能なため、ヒトでの同様の事象についての理解は限られている。今回A Cvejicたちは、体細胞変異(個体が成長するにつれて蓄積し、娘細胞に伝達される)をバーコードとして用い、ヒト胎児において血液前駆細胞の発生を追跡している。これによって、ヒトの血液発生の系統樹の再構築が可能になり、胎児の造血過程や初期の胚発生が明らかになった。
2021年7月1日号の Nature ハイライト
天文学:大質量で月程度の大きさの白色矮星
宇宙物理学:宇宙の原子時計
材料科学:遷移金属ジカルコゲニドにおける電子固体
生態学:渡り鳥が植物の気候変動への追従を助ける可能性は限定的である
ゲノミクス:体細胞変異を用いたヒトの初期発生の追跡
微生物学:微生物相を標的とした代謝疾患の治療
コロナウイルス:単一細胞レベルで見たCOVID-19
染色体生物学:高分解能で見るクロマチンの接触