Nature ハイライト
コロナウイルス:単一細胞レベルで見たCOVID-19
Nature 595, 7865
今週号では、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染に伴う肺と多臓器の病理を詳細に調べた、関連する2報の論文が報告されている。A Regevたちは、複数の臓器の剖検試料を用いて、死後試料の処理と、単一細胞および単一核のRNA塩基配列解読解析を最適化し、ウイルス感染と組織の損傷・修復の全体像を示すとともに、SARS-CoV-2感染に対する免疫応答を明らかにしている。この解析には、空間的に分解した変化と、関係する遺伝学的関連性が含まれており、これらを役立てて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が分子、細胞、組織レベルでマッピングされた。一方B Izarたちは、SARS-CoV-2によって誘導される肺胞細胞集団における分子的変化と、過剰な炎症の影響を明らかにし、COVID-19による損傷と関連のある刷子(タフト)様細胞に加えて、致死性のCOVID-19における細胞間相互作用と繊維症の進行を特定した。
2021年7月1日号の Nature ハイライト
天文学:大質量で月程度の大きさの白色矮星
宇宙物理学:宇宙の原子時計
材料科学:遷移金属ジカルコゲニドにおける電子固体
生態学:渡り鳥が植物の気候変動への追従を助ける可能性は限定的である
ゲノミクス:体細胞変異を用いたヒトの初期発生の追跡
微生物学:微生物相を標的とした代謝疾患の治療
コロナウイルス:単一細胞レベルで見たCOVID-19
染色体生物学:高分解能で見るクロマチンの接触