Nature ハイライト 発生:星状膠細胞発生制御におけるスターはSCL 2005年11月17日 Nature 438, 7066 アストロサイト(星状膠細胞)は、神経細胞とともに脳を構成するグリア細胞の中で最も数が多いため、従来は構造的な支持体としての役割を果たすものと考えられてきた。アストロサイトが血液脳関門の形成を助けることや、一部には幹細胞的な性質があることは知られているが、アストロサイトの発生を何が制御するのかについては、意外なほどわからないことが多い。 今回D Rowitchたちが、この謎の重要な手がかりを発見した。SCLというタンパク質が、未成熟な神経幹細胞に指令を出して、アストロサイトへと変化させる仕組みを明らかにしたのである。この知見によって、脳腫瘍や筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病といった神経疾患にアストロサイトが果たす役割が明らかになる可能性がある。 2005年11月17日号の Nature ハイライト 疫学:スーパースプレッディング現象の脅威と対策 工学:カオスから情報を取り出す 材料:左手系の実用化への一歩 発生:星状膠細胞発生制御におけるスターはSCL 気候:気候変動に対する地域ごとの取り組み : 目次へ戻る