Nature ハイライト

細胞:たっぷりとリンを含んだ海

Nature 439, 7072

熱帯と亜熱帯の海では、窒素固定を行うアイアカシオ(Trichodesmium)の仲間の藍藻が「新たな」窒素の主な供給源になっているが、この仲間の大増殖を可能にした細胞の適応に関してはほとんどわかっていない。Trichodesmium属は、溶存無機リン酸塩が乏しい北大西洋西部のような海域で大繁殖していることから、溶存有機リンを使うことができる、効率的のよいリン回収を行っていると考えられてきた。この考えが、サルガッソー海で行われた新たな研究によって確証された。Trichodesmium属はC-Pリアーゼを使ってホスホン酸化合物からリンを取り込んでいるらしい。これまでC-P結合は切断しにくいものと考えられてきたが、T. erythraeumをはじめ、これまでに調べられたTrichodesmium属はすべて、ホスホン酸塩を代謝するための遺伝子がゲノムに存在している。

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