Nature ハイライト
細胞:たっぷりとリンを含んだ海
Nature 439, 7072
熱帯と亜熱帯の海では、窒素固定を行うアイアカシオ(Trichodesmium)の仲間の藍藻が「新たな」窒素の主な供給源になっているが、この仲間の大増殖を可能にした細胞の適応に関してはほとんどわかっていない。Trichodesmium属は、溶存無機リン酸塩が乏しい北大西洋西部のような海域で大繁殖していることから、溶存有機リンを使うことができる、効率的のよいリン回収を行っていると考えられてきた。この考えが、サルガッソー海で行われた新たな研究によって確証された。Trichodesmium属はC-Pリアーゼを使ってホスホン酸化合物からリンを取り込んでいるらしい。これまでC-P結合は切断しにくいものと考えられてきたが、T. erythraeumをはじめ、これまでに調べられたTrichodesmium属はすべて、ホスホン酸塩を代謝するための遺伝子がゲノムに存在している。
2006年1月5日号の Nature ハイライト
宇宙:冥王星の衛星カロンによる恒星食
材料:ナノ粒子の自己集積
海洋:海と地球温暖化
細胞:たっぷりとリンを含んだ海
生理:振り子走行はだめ?
細胞:乳腺の幹細胞が見つかった
医学:治療薬としてのRNAi