Nature ハイライト
細胞:乳腺の幹細胞が見つかった
Nature 439, 7072
乳腺幹細胞は、ヒトの乳房組織の遺伝的解析や、マウスの組織断片から乳腺が再生することなどからその存在が予想されていた。今回2つの研究グループが、マウスから乳腺幹細胞を単離した。M Shackeltonたちは、幹細胞機能についてのマーカーを導入して単離する方法を報告している。こうして単離した細胞群の細胞には、in vivoで1個から完全な乳腺を再生する能力があることがわかった。前癌状態にある乳癌モデル動物でこの細胞集団が拡大していることは、乳癌幹細胞があるという考えの裏付けになる。Stingleたちからは、マウス成体の乳房細胞中の稀少な細胞群を、限界希釈移植法を用いてほぼ均一にまで精製したことが電子版に報告されている。この細胞群に属する個々の細胞は、6週間以内にin vivoで完全な乳腺を再生する能力をもっている。
2006年1月5日号の Nature ハイライト
宇宙:冥王星の衛星カロンによる恒星食
材料:ナノ粒子の自己集積
海洋:海と地球温暖化
細胞:たっぷりとリンを含んだ海
生理:振り子走行はだめ?
細胞:乳腺の幹細胞が見つかった
医学:治療薬としてのRNAi