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海洋:海中の植物プランクトン分布に地球温暖化の影が忍び寄る

Nature 439, 7074

海洋では植物プランクトンが多くの食物網で底辺部分を占めているが、新しいコンピューターモデルを使った解析によると、その分布状況が気候変動によって崩れてしまう可能性があるという。解析結果から、温暖化により海水の鉛直混合が減って、これまで安定だと思われていた植物プランクトンの深層に、振動や移動といった現象が起こりかねないことが示唆されたのだ。  この植物プランクトン分布帯は「深部クロロフィル極大層」と呼ばれ、海上から海中に透過してくる日光と、下からわき上がってくる栄養分とが出会う最適箇所に形成される。この分布帯は熱帯海域や亜熱帯海域に広く見られる特徴の1つであり、専門家の多くはこれが比較的変動しないものだと考えてきた。  しかし、そうでないことを今回の解析結果は示唆していると、J Huismanたちは述べている。植物プランクトン分布帯が継続的に変動する可能性があるという今回の発見からは、こうした分布帯がこれまで考えられていたほど不動のものではないことがわかる。そして、海洋の鉛直混合の減少が分布帯の変動を後押しするという事実は、地球温暖化が続けば、こうした変動が現実のものとなりかねないことを暗示している。

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