Nature ハイライト
植物:ホルモン受容体の探索が実を結ぶ
Nature 439, 7074
植物ホルモン「アブシジン酸」の受容体は20年以上にわたって探し続けられていたが、今回ついに発見された。 アブシジン酸は、植物が乾燥や極端な高温・低温などのストレス条件をしのぐのを助けているが、アブシジン酸の受容体は発見されていなかった。R Hillたちは、FCAと呼ばれるRNA結合タンパク質が、アブシジン酸受容体にぴったりの性質を持つことの証拠を示している。FCAはアブシジン酸と結合し、その相互作用によって開花時期や他のRNA分子のプロセシングが調節されていることがわかったのである。 この研究は、RNA結合タンパク質がホルモンの直接の標的となり得ることを示しており、植物のRNA結合タンパク質には受容体としての機能をまだ知られずにいるものが他にも多数ある可能性が出てきた。
2006年1月19日号の Nature ハイライト
海洋:海中の植物プランクトン分布に地球温暖化の影が忍び寄る
核物理:爆発する葉巻
分子生物:暗い夜を切り抜ける
神経:学習の面倒をみる分子
宇宙:塵となって地球に降り注いだ太古の小惑星
植物:ホルモン受容体の探索が実を結ぶ