Nature ハイライト

Cover Story:問題点は雲隠れ:モントリオール議定書後のオ ゾン層の回復について調べる

Nature 441, 7089

1987年に採択されたモントリオール議定書は、汚染に関する国際協力のための最も重要な協定としてしばしば引き合いに出される。この協定により、南極の「オゾンホール」の原因であることが突き止められたクロロフルオロカーボン(CFC)などの化学物質の段階的な削減が開始された。近年、オゾンは少なくとも減少はしておらず、一部の地域では増加してきた。しかし、短い時間スケールでは、オゾンの濃度に影響する可能性のある要因は多く、こうした要因がオゾン層破壊物質の減少に起因する変化を覆い隠しているかもしれない。表紙写真に示すような極域成層圏雲はオゾンの減少を促進することがあり、そしてこのような雲を作り出す一因である気温変動はオゾン濃度を大きく変動させる可能性がある。オゾン層回復の兆候を探るために、E WeatherheadとS B Andersenは、オゾン観測に見られる最近の変化傾向を検証し、最近のオゾン濃度の改善が主に大気中の塩素濃度の低下によることを示す証拠が増えていると結論している。[Review Article p.39]

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