Nature ハイライト
Cover Story:太陽の熱:太陽光度の変動と気候の関
Nature 443, 7108
太陽のエネルギー放射、つまり光度の小さな変動は、気候変化と関連する可能性があることから関心を集め、議論を引き起こしている。この微変動は、11年周期の太陽黒点サイクルの間に生じる太陽表面上の暗い領域(黒点)や明るい領域(白斑)が原因である。こうした現象は、1978年以来衛星を用いて正確に追跡できるようになり、0.07パーセントの変動が観測された。Foukalたちは、太陽光度の変化やそれが地球のエネルギーバランスに与える影響に関する研究の最近の進展を概説し、17世紀以降、太陽放射の増大が気候変化に大きな影響を与えてきたとは考えにくいと結論している。さらに推測的となる太陽紫外線や磁気プラズマ放射に関連した気候変化については、起こった可能性は否定できないが、複雑な相互作用が働いているために定量化は困難である。表紙は、光度変動の原因となる構造を示している。[Review Article p.161]
2006年9月14日号の Nature ハイライト
生理:カルシウムポンプ
進化:ヒトをヒトたらしめる遺伝子
生化学:いろいろ選べる仕組み
宇宙:見つかった中で最も古い銀河
物理:バブルメモリーが戻ってくる?
化学:8個1組の酸素
気候:激しさを増していく熱波
腫瘍:p53の2つの顔