Nature ハイライト 化学:8個1組の酸素 2006年9月14日 Nature 443, 7108 気体としての酸素や化学的に結合した状態の酸素が重要であるのに加えて、それに加えて固体状態の酸素も興味深い特性をもっている。固体の酸素には6つの結晶相が存在するが、そのうちの1つであるイプシロン相はとりわけ特異な性質を示す。イプシロン酸素は暗赤色を呈し、赤外線を強く吸収し、ほかの相にみられる磁気秩序が失われ、広い圧力範囲にわたって安定である。イプシロン酸素は1979年に発見されたが、今までその正確な構造はわかっていなかった。今回、単結晶X線回折データから、イプシロン酸素はO8、すなわち分子格子に保持された4個のO2が結びついた菱面体ユニット構造をとることが明らかになった。 2006年9月14日号の Nature ハイライト 生理:カルシウムポンプ 進化:ヒトをヒトたらしめる遺伝子 生化学:いろいろ選べる仕組み 宇宙:見つかった中で最も古い銀河 物理:バブルメモリーが戻ってくる? 化学:8個1組の酸素 気候:激しさを増していく熱波 腫瘍:p53の2つの顔 目次へ戻る