Nature ハイライト 細胞:ボツリヌス毒素 2006年12月21日 Nature 444, 7122 ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)が作るボツリヌス毒素は、バイオハザードや脅威的な生物兵器となる可能性がある。この毒素は、シナプスでの神経伝達物質放出の強力な阻害剤であり、この性質こそがボツリヌス中毒とよばれる神経麻痺症候群の原因である。今週号では2本の論文が共に、ニューロンの露出表面にある受容体と結合したボツリヌス毒素Bの結晶構造について報告している。これにより、毒素と受容体の間の相互作用の高い親和性と特異性についての知見が得られ、抗ボツリヌス中毒用のワクチンや医薬を開発する助けとなるだろう。 2006年12月21日号の Nature ハイライト 運動学:無理をしたがる人々 生物保全:オオトカゲの「処女降誕」 がん:血液供給を妨げる 医学:老化に関する2説 宇宙:持続時間の問題ではない? 宇宙:水星磁場の挙動を探る 物理:自由中性子のベータテスト 神経:聴覚神経のチューニング 細胞:ボツリヌス毒素 目次へ戻る