Nature ハイライト 細胞:脳の中をいつもきれいに 2007年4月26日 Nature 446, 7139 アポトーシスを起こした細胞は、ホスファチジルセリンやアミロイドβなどの「私を食べて」という意味のシグナル分子を発現する。食作用は、こうしたシグナルを認識する食作用促進受容体が活性化されることによって始まると考えられている。しかし、今回Koizumiたちは、食作用開始の典型的な「食べて」シグナルもFc受容体リガンドも必要としない、全く新しいタイプの食作用をミクログリアが行うことを明らかにしている。この食作用を促進するのは、損傷を受けた細胞から放出されて細胞外に拡散する分子、ウリジン5′-二リン酸(UDP)である。UDPはミクログリアの表面にあるP2Y6受容体を活性化する。死んだ細胞の除去は脳の機能維持に非常に重要なので、この知見は中枢神経系のさまざまな疾患に大きなかかわりがありそうだ。 2007年4月26日号の Nature ハイライト 工学:待ちに待ったナノ天秤 海洋:効率の高い自然の鉄肥沃化 工学:高次元に拡張したノイマン関係式 発生:血球の起源 地球:間違っていた塩素同位体比 地球:意外な場所で地震が起きる理由 生態:少ない資源は侵入種に有利 細胞:脳の中をいつもきれいに 目次へ戻る