Nature ハイライト 工学:待ちに待ったナノ天秤 2007年4月26日 Nature 446, 7139 ナノスケールの機械共鳴器は、極めて高い分解能で粒子の質量を測定することができ、その感度は数ゼプトグラム(10−21g)に達する。この驚くべき分解能は、病気の診断や環境の監視といった応用にはこれまで使えなかった。こうした応用では流体が存在するので、測定系がうまく働くのに必要な機械振動が減衰してしまうからだ。今回、MITとサンタバーバラにあるInnovative Micro Technology社とAffinity Biosensors社の研究所のチームが、共鳴器の内部に溶液を入れることで、この問題を回避する画期的な方法を考案した。真空中に共鳴器を置き、内部の微小流体チャネル内に目的の粒子を含む溶液を保持させることにより、1個のナノ粒子や1個の細菌の質量をフェムトグラム(10−15g)以下の分解能で測定できる。 2007年4月26日号の Nature ハイライト 工学:待ちに待ったナノ天秤 海洋:効率の高い自然の鉄肥沃化 工学:高次元に拡張したノイマン関係式 発生:血球の起源 地球:間違っていた塩素同位体比 地球:意外な場所で地震が起きる理由 生態:少ない資源は侵入種に有利 細胞:脳の中をいつもきれいに 目次へ戻る