Nature ハイライト 進化:種分化のための試験別居 2007年5月31日 Nature 447, 7144 生物の新しい種はどのようにして生じるのだろう。自然界では種分化が長い時間をかけてゆっくりと進むので、種分化を直接観察するのは難しい。理論上は、1つの種の複数の個体群が異なった環境へ別れて、そこに適応すると、雑種形成が起こりにくくなり、新しい種が生じるのではないかと考えられている。種分化を加速するような実験条件の下で酵母の2種類の系統を進化させる実験によって、異なる環境に適応した個体群の間の雑種は、同一の環境に適応した個体群の間の雑種に比べて、繁殖能力が低い(適応度が低い)ことが確かめられた。これは、分岐適応と生殖的隔離の発生との基本的関連を示す直接的な証拠である。 2007年5月31日号の Nature ハイライト 医学:プリオンを識別する 宇宙:水のある惑星の兆し 物性:超伝導ペア 気候:熱帯低気圧が起こす海洋混合 進化:個性はこうして生まれる 進化:種分化のための試験別居 脳:算数学習に朗報:計算能力は自然に備わっている 医学:精神遅滞とクロマチンとの関連付け 目次へ戻る