Nature ハイライト

進化:個性はこうして生まれる

Nature 447, 7144

大胆さ、攻撃的行動、リスク回避といった性向にみられる「個性」は、霊長類からアリに至る60種以上の動物種で確認されているが、適応進化という観点からその存在を説明することは難問である。確かに、異なる個性が、1つに収束することなく維持されるということは、進化の上で有利ではないはずである。しかし今回、Wolfたちは、生活史に関する数値解析モデルを用い、動物の個性(さまざまな状況で一貫してみられる行動のセットとして定義される)の進化が生活史のトレードオフへの適応的反応と関連していることを示した。このモデルでは、リスクをはらむ状況に個体がどう反応するかは、現在と将来行う繁殖の間のトレードオフに関してその個体がどのような決定を行ったかに左右され、それが動物個体群内における個性の存在とその維持の基盤になっていると考えることができる。

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