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Cover Story:グリーンになるF1?:省エネを競うフォーミュラワン

Nature 447, 7147

表紙は、モントリオールでのカナダGPで、フェラーリのキミ・ライコネンに差をつけ、初優勝目前のマクラーレンの驚異の新人ドライバー、ルイス・ハミルトンである。この勝利は彼のその後の北米での連続勝利の皮切りとなった。こういうカーレースは「環境に優しい」とはとても言えない。サーキットをぐるぐる回るために、世界中に機械や人員を送り込んでいるのだから。だが、自動車にディスクブレーキをもたらした「性能の向上」という伝統を受け継ぎ、F1(フォーミュラワン)レースを技術革新に貢献するものに作り直そうという野心的な計画が立てられている。2009年から、環境への負荷を軽減する新しい規制が実施され、そのままなら無駄になる減速時のエネルギーを活用するための機械式エネルギー回生装置(KERS)が導入される。熾烈な競争と有能な技術陣、巨額な研究予算とが合わさってこの技術の進歩が推進されれば、最終的には一般の車にもKERSが使われるようになるだろう。News Feature では、A Trabesingerが、この改革に尽力したF1のM Mosleyと対談している(News Feature p.900; www.nature.com/podcast)。

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