Nature ハイライト 化学:よりよいバイオ燃料を目指して 2007年6月21日 Nature 447, 7147 ガソリンの価格の上昇に伴って、バイオ燃料は最近大きなニュースとなっている。運送に使われる液体バイオ燃料として最もよく知られているのは、バイオマス由来エタノールだろうが、エタノールは揮発性が高く、水を吸収し、エネルギー密度が低いため、こうした用途には限界がある。今回、ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームが、フルクトースを変換して、より優れた液体バイオ燃料と考えられる2,5ジメチルフラン(DMF)にする2段階触媒プロセスを開発した。DMFは、エタノールよりエネルギー密度が40%高いという長所をもち、エタノールより沸点が高く、水に溶解しない。フルクトースは、バイオマスからから直接、あるいはグルコースから作られる。DMF生産が商業的に可能になるまでには、まだいくぶんの努力が必要だが、この新しい触媒的合成法は有望と思われる。 2007年6月21日号の Nature ハイライト 微生物:いることがわかったからには 医学:有望なメタボ治療薬 医学:癌モデルの改良 材料:液体工学 化学:よりよいバイオ燃料を目指して 地球:局地的だった水フィルター 環境:窒素は回る 進化:有胎盤類は北半球出身 目次へ戻る