Nature ハイライト 植物:性の正反対 2008年2月28日 Nature 451, 7182 ある種の植物は、一部の動物にみられる単為生殖の植物版に相当するアポミクシスと呼ばれる無性生殖過程によって、遺伝的に同一な種子をつくる。アポミクシスの第一段階は「アポマイオシス」で、遺伝的に同一な雌性配偶子が形成される。今回、有性植物であるシロイヌナズナを用いて行われた研究で、単一の遺伝子の変化によってアポマイオシスが起こるようになり、これはアポミクシスの進化の初期段階に似ていることがわかった。今回の知見は植物の生殖の基本機構の解明に重要であり、また、アポミクシスを行える作物が開発できれば高収量のハイブリッド種子の生産に極めて望ましいことから、植物の育種法にとっても大きな意味をもつ。 2008年2月28日号の Nature ハイライト 宇宙:でっかくなるきっかけ 遺伝:多発性硬化症の薬物標的を突き止める 進化:ずる賢いごまかし 生理:ゴミを入れれば、すべてが解決 材料:長さスケールをマッチさせる 生態:野生のレヴィウォーク 進化:ベーツ型擬態のパラドックスを解消 細胞:BRCA2変異がんが治療耐性を獲得する仕組み 植物:性の正反対 目次へ戻る