Nature ハイライト

細胞:Clostridium difficileがとったラジカルな解決法

Nature 452, 7184

世界中で院内感染の一般的原因となっているClostridium difficileは、ヒトの腸管内ではL-ロイシンを酸化体および還元体の両方として使っている。発酵には、鉄-硫黄クラスター含有デヒドラターゼによって触媒される、化学的に非常に起こりにくい脱水段階が含まれており、この段階にはケチルラジカルが関与すると考えられている。今回、反応産物に関連のあるアリルケチルラジカルがデヒドラターゼに結合した状態で見つかり、この説が確証された。これまで報告されているラジカル酵素には、補酵素B12S-アデノシルメチオニンあるいは酸素などのラジカル発生体が必要だったが、C. difficileの2-ヒドロキシアシルCoAデヒドラターゼはこのような助けを必要とせず、これは生化学分野で前例のないものといえる。嫌気的に生育する他の細菌でも、同じような酵素が発見されるかもしれない。

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