Nature ハイライト 物理:異常な光 2008年4月10日 Nature 452, 7188 光の波長より小さい穴が並んだ金属膜を光が通過するとき起こる現象が「異常な光透過」と名付けられたのは、この現象を紹介した1998年のNatureに掲載された論文のタイトルによっている。特定の波長では、透過する光の量は、そのような小さい穴について予測されるよりずっと多くなる。この現象の説明は、いわゆる表面プラズモン、すなわち金属薄膜を光が透過するのを促進すると考えられている電子励起に主によるとしているが、これにかかわる物理機構については盛んな議論が続いている。H LiuとP Lalanneは今回、表面プラズモンモードや他の電磁場を考慮して、さまざまな見解を満足させる理論を考案した。この新しいモデルは透過スペクトルの種々の特徴を正確に予測しており、ナノ光学デバイスを設計する基礎に使えると考えられる。 2008年4月10日号の Nature ハイライト 疫学:学校閉鎖の効果 細胞:ポリグルタミン病 細胞:上皮細胞でのクラスリンの働き 物理:極限での測定 物理:異常な光 物性:間接型強誘電性 気候:自助努力する熱帯雨林 免疫:血液細胞の系譜を作り直す 目次へ戻る