Nature ハイライト 物性:間接型強誘電性 2008年4月10日 Nature 452, 7188 「酸化物エレクトロニクス」の分野では、複合酸化物薄膜を人工的に積層した構造体が設計され、工業技術的な関心を集める新規な電子的・磁気的特性が得られている。Bousquetたちは、強誘電体酸化物(PbTiO3)と常誘電体酸化物(SrTiO3)から作製した人工超格子について研究を行い、これらの材料薄膜界面でこれまで知られていなかったタイプの原子再配列が起こり、変わった「間接型」強誘電効果がもたらされることを見いだした。この系は、従来の強誘電性とは大きく異なり、温度にほとんど依存しない非常に高い誘電率を示す。今回の観察結果は、従来のマイクロエレクトロニクスで使われている高電率膜向けの改良型材料や、磁気電気応用における新たなニーズに応えるための改良型材料を設計する手法として、工業技術的にかなり興味深いものである。 2008年4月10日号の Nature ハイライト 疫学:学校閉鎖の効果 細胞:ポリグルタミン病 細胞:上皮細胞でのクラスリンの働き 物理:極限での測定 物理:異常な光 物性:間接型強誘電性 気候:自助努力する熱帯雨林 免疫:血液細胞の系譜を作り直す 目次へ戻る