Nature ハイライト

Cover Story:関係づけの向上:系統ゲノミクスによりさらに精細になった動物の系統樹

Nature 452, 7188

分子レベルのデータの蓄積によって、主要な動物群どうしの進化的関係に関する我々の理解は再構築されつつある。当初、この分野の研究は、少数の遺伝子からのデータに依存していたが、配列が完全に解読されたゲノムと発現配列タグ(EST;多数の相補DNAクローンから得られる短い部分的配列)が利用できるようになり、いまや動物界のかなりの部分についてそのような解析が可能となった。21門の動物に由来する約4,000万塩基相当のESTが新たな研究で発表され、検討が行われている。この中には、今までゲノムあるいはESTのデータがなかった11門に属する動物が含まれている。今回の結論は、著しい多様性をもちながら祖先が共通の軟体動物の単系統性を含めて、ずっと以前に解剖学により確立された考え方を確証するものである。また、初期胚のらせん卵割の単一起源性のような、新たな興味深い進化的関係も見いだされた。表紙は動物の多様性を表しており、腸鰓類、紐形動物、ヤムシ類、有爪動物、クラゲ、およびウミグモが描かれている(Letter p.745)。

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