Nature ハイライト

医学:「治療標的」としてのマイクロRNA

Nature 452, 7189

マイクロRNAは、正常な発生とがんや心疾患や代謝病などの疾患の両方で、遺伝子制御に中心的役割を果たすことがわかったことで、有効な治療標的になりそうだと考えられるようになった。今回、効率的で長時間継続し、しかも可逆的なマイクロRNAサイレンシングが非ヒト霊長類で初めて成功した。コレステロール値に影響を与える遺伝子を制御するマイクロRNAであるmiR-122に結合して、その機能を阻害する短鎖修飾DNA配列をアフリカミドリザルの腹腔内に注射したところ、血中のコレステロール値が用量依存的に低下して、毒性の徴候は認められなかった。だが、実際の治療に応用するには、まだ程遠い。マイクロRNAは多くの遺伝子に作用すると考えられるので、毒性リスクの可能性はかなり高いのだ。

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