Nature ハイライト 環境:キクイムシが切り替える森林炭素動態 2008年4月24日 Nature 452, 7190 カナダのブリティッシュコロンビア州の森林は現在、キクイムシの一種であるDendroctonus ponderosaeによる深刻な被害に見舞われている。気候変動により、以前は非生息域であった地域にまでこの昆虫の生息域が拡大したことが、今回の大発生の深刻さの一因となったと考えられている。2000〜2020年の間にこのキクイムシの大発生がもたらすと考えられる影響を解析した結果から、この森林は小さな正味の炭素シンクから大きな正味の炭素源に変身することが示唆された。この変化は、他の害虫や森林火災による類似の影響とともに、北アメリカの森林の炭素シンクを危機に陥れる可能性があり、気候変動が炭素循環に与える影響をモデル化するときに考慮に入れるべきだと考えられる。 2008年4月24日号の Nature ハイライト 宇宙:ブレーザー発生の原因を捉えた 遺伝:甲虫のゲノム解読 神経:嗅覚を研ぎ澄ます 物理:エキゾチックな量子相の共存 地球:マントルへの圧力の影響 環境:キクイムシが切り替える森林炭素動態 生理:昆虫の嗅覚受容体 生理:脂質で血糖値を調節 遺伝:ストレス応答とY因子 目次へ戻る