Nature ハイライト

構造生物学:DNA修復での鎖交換をみる

Nature 453, 7194

DNA損傷を元に戻す方法の1つに、損傷DNAと未損傷DNAの相同対形成を行うものがあり、この過程は鎖間交換タンパク質によって仲介される。Chenたちは今回、DNA修復分野における「聖杯」、つまり長らく探索されてきた構造を手に入れた。大腸菌の鎖間交換タンパク質であるRecAが一本鎖と二本鎖のDNA分子に結合した構造を明らかにしたのである。細菌、古細菌、真核生物のRecAファミリーのメンバーの結晶構造は、これまでに10個以上決定されている。しかし、RecAはDNA上でフィラメントを形成するため、RecA-DNA複合体の結晶構造は決定されていなかった。今回の研究では、フィラメントの限られた部分にあたるRecA-DNA複合体を人工的に作り、高分子を結晶化するという難問が回避されている。

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